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タニタ調べ 実は熱中症? 熱中症になった自覚がない人の6割半が、暑さによるからだの不調を経験

熱中症に関する意識・実態調査2024

株式会社タニタ

健康総合企業のタニタは、今年で6回目(※)となる「熱中症に関する意識・実態調査2024」を実施し、その集計結果を公開しました。この調査はインターネットリサーチにより2024年6月4日-6月5日の2日間、全国の15歳以上の男女(1,000名)を対象に行ったものです。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※それぞれの調査時期は次のとおりです。なお、経年比較の際は調査実施時期が異なる点にご留意ください。
第1回:2019年5月23日-5月24日 / 第2回:2020年6月5日-6月8日 /
第3回:2021年6月29日-7月1日 / 第4回:2022年8月5日-8月8日 / 第5回:2023年6月14日-6月15日


[調査結果]

第1章 熱中症の危険性に対する意識と“暑さ指数(WBGT)”・“熱中症警戒アラート”に対する認知

  • 熱中症を意識するとき 1位「屋外でスポーツ・運動をしているとき」2位「屋外のイベントに参加しているとき」

全国の15歳以上の男女1,000名(全回答者)に、熱中症を意識するのはどのようなときかを聞いたところ、「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(39.6%)が最も高く、次いで、「屋外のイベント(フェスなど)に参加しているとき」(27.2%)、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」(26.6%)、「スポーツ観戦をしているとき」(21.5%)、「屋内でスポーツ・運動をしているとき」(19.8%)となりました。屋外でスポーツやイベント参加、レジャーなど、長時間の活動をしているときや、屋内で発汗を伴う活動をしているときに、熱中症を意識する人が多いのではないでしょうか。


  • 熱中症警戒アラートの認知率は82.1%、昨年から4.3ポイント上昇
  • “熱中症特別警戒アラート”が新設されたことの認知率は57.7%、運用前の昨年から13.6ポイント上昇

環境省と気象庁が発表している“熱中症警戒アラート”は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された場合に、熱中症の予防行動を促すための情報です。発表の基準には“暑さ指数”(WBGT)が用いられ、いずれかの暑さ指数情報提供地点における、翌日・当日の日最高暑さ指数の予測値が33に達すると発表されます。

全回答者(1,000名)に、熱中症警戒アラートを知っていたかを聞いたところ、「名前は聞いたことがあった」は43.1%、「どのようなものか知っていた」は39.0%で、認知率は82.1%となりました。2021年の全国における運用開始から約3年が経過した現在、熱中症警戒アラートという言葉が大多数の人に認知されている実状が明らかになりました。

過去の調査結果と比較すると、認知率は昨年と比べて4.3ポイント上昇(2023年77.8%、2024年82.1%)し、2021年からの3年間では19.1ポイントの上昇(2021年63.0%、2024年82.1%)となりました。


2024年4月から、従来の熱中症警戒アラートよりさらに強い警戒を呼びかける“熱中症特別警戒アラート”が運用開始されました。都道府県内のすべての暑さ指数情報提供地点における、翌日の日最高暑さ指数の予測値が35に達すると発表されます。

全回答者(1,000名)に、“熱中症特別警戒アラート”が新設されたことを知っていたかを聞いたところ、「名前は聞いたことがあった」は36.4%、「どのようなものか知っていた」は21.3%で、認知率は57.7%となりました。

昨年(2023年)の調査結果と比較すると(※)、認知率は13.6ポイントの上昇(2023年44.1%、2024年57.7%)となりました。


※2023年調査では「“熱中症特別警戒アラート”が新設されること」の認知を問う内容として聴取


  • 暑さ指数(WBGT)の認知率は57.9%、昨年から6.4ポイント上昇

暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標で、黒球温度、湿球温度、乾球温度の測定値から算出します。

暑さ指数(WBGT)を知っていたかを聞いたところ、「名前は聞いたことがあった」は40.7%、「どのような指標か知っていた」は17.2%で、認知率は57.9%となりました。他方、「知らなかった」は42.1%でした。

過去の調査結果と比較すると、認知率は昨年と比べて6.4ポイント上昇(2023年51.5%、2024年57.9%)し、2019年からの5年間では15.9ポイントの上昇(2019年42.0%、2024年57.9%)となりました。


  • 「熱中症警戒アラート発表時に予防行動を取ったことがある」熱中症警戒アラート理解者の8割強
    取ったことがある予防行動TOP3 「喉が渇く前に水分補給」「外出を控えた」「いつもより積極的にエアコンを使用」

熱中症警戒アラートでは、熱中症への注意を促す呼びかけとともに、対象都道府県内の観測地点ごとの暑さ指数(WBGT)の予測値や予想最高気温の値、具体的に取るべき熱中症予防行動が併せて発表されます。

熱中症警戒アラートがどのようなものか知っていた人(390名)に、熱中症警戒アラートが発表された際に取ったことがある予防行動を聞いたところ、「喉が渇く前に水分補給をした」(53.6%)が最も高くなりました。“喉が渇いたと感じたときにはすでにからだが脱水症状を起こしている”ということを理解し、こまめな水分補給を意識している人が多いのではないでしょうか。次いで、「外出を控えた」(40.3%)、「いつもより積極的にエアコンを使用した」(37.7%)、「涼しい服装にした」(32.3%)、「家族に熱中症に気をつけるように声掛けをした」(30.0%)となりました。また、熱中症警戒アラートが発表された際に熱中症予防行動を取ったことがある人の割合は83.8%となりました。

昨年(2023年)の調査結果と比較すると、「家族に熱中症に気をつけるように声掛けをした」(2023年24.6%、2024年30.0%)は5.4ポイント上昇しました。


  • 熱中症予防のために気にしているもの
    屋内では1位「気温」2位「自身の体調」3位「湿度」、屋外では1位「気温」2位「日差し」3位「天気」
  • 屋外にいるとき熱中症予防のために「暑さ指数(WBGT)」を気にしている人の割合は3年間で9.2ポイント上昇
  • 屋外にいるとき熱中症予防のために「熱中症警戒アラート」を気にしている人の割合は3年間で20.5ポイント上昇

全回答者(1,000名)に、熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)ものを聞いたところ、≪屋内にいるとき≫では「気温」(49.1%)が最も高くなり、「自身の体調」(41.7%)、「湿度」(30.6%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(27.6%)、「日差し」(22.4%)と続きました。

他方、≪屋外にいるとき≫では「気温」(54.7%)と「日差し」(51.4%)が特に高くなり、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(43.7%)、「自身の体調」(42.2%)、「自身の行動(激しい運動は避ける、など)」(36.7%)と続きました。


過去の調査結果と比較すると、「暑さ指数(WBGT)」を気にしている人の割合は、2021年からの3年間で、≪屋内にいるとき≫では8.6ポイントの上昇(2021年4.0%、2022年4.4%、2023年9.3%、2024年12.6%)、≪屋外にいるとき≫では9.2ポイントの上昇(2021年5.9%、2022年6.4%、2023年13.8%、2024年15.1%)となりました。

また、「熱中症警戒アラート」を気にしている人の割合は、2021年からの3年間で、≪屋内にいるとき≫では14.1ポイントの上昇(2021年7.3%、2022年12.4%、2023年15.2%、2024年21.4%)、≪屋外にいるとき≫では20.5ポイントの大幅上昇(2021年9.6%、2022年21.2%、2023年24.6%、2024年30.1%)となりました。暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートの認知拡大に伴い、注意を払う人が増加しているのではないでしょうか。


  • 熱中症の危険度を判断するための情報源 1位「テレビの天気予報」
    「熱中症警戒アラート」は昨年から7.1ポイント上昇
  • 環境省のLINEによる熱中症警戒アラートや暑さ指数の情報発信 認知率は23.8%

全回答者(1,000名)に、どのような情報から熱中症の危険度(その日の熱中症のなりやすさ)を判断しているかを聞いたところ、「テレビの天気予報」(45.6%)が最も高くなり、「天気予報サイト(アプリ含む)(ウェザーニュース、日本気象協会tenki.jpなど)」(32.3%)、「熱中症警戒アラート」(29.9%)、「ポータルサイトの天気情報(アプリ含む)(Yahoo!天気、goo天気など)」(22.8%)、「身の回りの計測器(温度計、温湿度計、熱中症指数計など)」(12.5%)と続きました。

昨年(2023年)の調査結果と比較すると、「熱中症警戒アラート」(2023年22.8%、2024年29.9%)は7.1ポイント上昇しました。熱中症対策を適時適切に行うために、熱中症警戒アラートの発表状況をチェックする人が増えているのではないでしょうか。


環境省はLINE公式アカウントで、熱中症警戒アラートや暑さ指数の情報を発信しています。このことを知っていたか、また、利用したいと思うかを聞いたところ、「知らなかったし、利用したいと思わない」は28.5%、「知らなかったが、今後利用したいと思う」は47.7%でした。「知っていたが、利用したいと思わなかった」は10.5%、「知っており、今後利用したいと思っている」は9.1%、「利用している」は4.2%で、認知率は23.8%にとどまりました。

年代別にみると、認知率は60代以上(27.7%)が最も高くなり、10代(25.9%)、20代(25.3%)が続きました。


  • 「湿度が高いところでは熱中症になりやすいことを知っている」約7割、60代以上では8割
  • 「風がない(または弱い)ところでは熱中症になりやすいことを知っている」7割強

全回答者(1,000名)に、熱中症に関する内容を提示し、知っていたか質問しました。

熱中症の発生には、気温や輻射熱のほか、湿度や風速も関係しています。

≪湿度が高いところでは熱中症になりやすいこと≫では、「知っていた」が68.4%、「知らなかった」が31.6%と、知っていた人が多数となりました。

年代別にみると、「知っていた」と回答した人の割合は、60代以上(80.7%)では8割を超えました。


≪風がない(または弱い)ところでは熱中症になりやすいこと≫では、「知っていた」が71.9%、「知らなかった」が28.1%と、大半の人に認知されていることがわかりました。

年代別にみると、「知っていた」と回答した人の割合は、60代以上(81.9%)が最も高くなり、40代(75.0%)、30代(74.4%)が続きました。


  • 「寝不足だと熱中症になりやすいことを知っている」6割半
  • 「二日酔いだと熱中症になりやすいことを知っている」5割、30代では6割
  • 「肥満だと熱中症になりやすいことを知っている」3割半

熱中症の発生には、その日の体調や生活状況も大きく影響します。

≪寝不足だと熱中症になりやすいこと≫では、「知っていた」が65.8%、「知らなかった」が34.2%となりました。

年代別にみると、「知っていた」と回答した人の割合は、30代(71.4%)と60代以上(70.5%)が特に高くなりました。


≪二日酔いだと熱中症になりやすいこと≫では、「知っていた」が50.0%、「知らなかった」が50.0%と、両者が拮抗する結果となりました。

年代別にみると、「知っていた」と回答した人の割合は、30代(60.7%)が突出して高くなりました。


≪肥満だと熱中症になりやすいこと≫では、「知っていた」が35.6%、「知らなかった」が64.4%と、知らなかった人の割合が高くなりました。

年代別にみると、「知っていた」と回答した人の割合は、いずれの年代でも半数を下回り、40代(28.0%)では3割に満たない結果となりました。


睡眠時間が短いと、翌日に体温調節機能が低下するとされています。また、二日酔いの人はからだが脱水状態になっています。このような状況のときは、暑い場所での活動を避けるなど、熱中症に注意する必要があります。肥満の人や幼児、高齢者なども熱中症に陥るリスクが高いとされているので、夏季は熱中症対策を十分に意識する必要があります。


  • 「公共施設や人が集まる場所において、地点ごとに熱中症の危険度がわかるようにしてほしい」7割半

熱中症の危険度は、天気や気温以外に日差しや風通しなどの条件に影響を受け、ごく近い地点であっても大きく変わります。

全回答者(1,000名)に、公共施設(学校・市民グランド・体育館・公民館・公園など)や人が集まる場所において、地点ごとに熱中症の危険度がわかるようにしてほしいと思うかを聞いたところ、「非常にそう思う」が27.3%、「ややそう思う」が49.2%で、合計した『そう思う(計)』は76.5%となりました。

居住エリア別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は北陸・甲信越(81.0%)が最も高くなり、近畿(80.1%)、九州・沖縄(78.3%)が続きました。


第2章 熱中症の症状と熱中症対策

  • 「熱中症について学んだことがある」48.4%、昨年から5.5ポイント上昇
  • 熱中症の症状だと思うもの 「皮膚の異常」「筋肉痛」は2割未満

熱中症の症状や対応・処置に関する学習経験や知識について質問しました。

全回答者(1,000名)に、熱中症について(症状や対応・処置などを)学んだことがあるかを聞いたところ、「ある」は48.4%、「ない」は51.6%となりました。

過去の調査結果と比較すると、熱中症について学んだことがある人の割合は昨年と比べて5.5ポイント上昇(2023年42.9%、2024年48.4%)し、2022年からの2年間では11.6ポイントの上昇(2022年36.8%、2024年48.4%)となりました。2023年に改正気候変動適応法が成立し、政府による熱中症対策実行計画が策定されるなど、国を挙げての熱中症対策が進められていることから、熱中症に関する学習の機会が増えているのではないでしょうか。


熱中症の症状だと思うものを聞いたところ、「めまい・立ちくらみ」(52.8%)が最も高くなり、「からだのだるさ」(47.6%)、「体温の上昇」(43.9%)、「吐き気・おう吐」(43.4%)、「頭痛」(41.9%)と続きました。

「皮膚の異常(赤く乾いているなど)」(18.0%)や「筋肉痛」(14.3%)は2割未満となりました。これらが熱中症の症状であることはあまり知られていないようです。


  • 「熱中症になったという自覚がある」約3割、10代女性では約5割
  • 「暑さによって引き起こされたからだの不調を自覚したことがある」7割強、10代・30代女性では8割半

次に、全回答者(1,000名)に、自身が熱中症になったことがあるかを聞いたところ、「ある」は28.0%、「ない」は72.0%となりました。

性年代別にみると、熱中症になったという自覚がある人の割合は、男女とも10代(10代男性43.4%、10代女性47.0%)が最も高くなりました。


他方、“暑さによって引き起こされたからだの不調”を自覚したことがあるかを聞いたところ、「ある」は72.3%となりました。

性年代別にみると、“暑さによって引き起こされたからだの不調”を自覚したことがある人の割合は、30代女性(85.7%)が最も高くなり、10代女性(85.5%)、50代女性(83.1%)が続きました。


  • 実は熱中症? 熱中症になった自覚がない人の6割半が、暑さによるからだの不調を経験

熱中症になったことがないと回答した人(720名)に、“暑さによって引き起こされたからだの不調”で自覚したことがあるものを聞いたところ、「からだのだるさ」(31.4%)が最も高くなり、「めまい・立ちくらみ」(26.7%)、「顔のほてり」「頭痛」(いずれも25.0%)、「体温の上昇」(21.7%)と続きました。また、何らかの不調を自覚したことがある人の割合は63.5%となり、“熱中症になった”という自覚がない場合にも、熱中症が疑われる不調を感じた経験のある人が多いことが明らかになりました。

熱中症の症状があるにも関わらず、自己判断で処置が遅れると、重症化につながる恐れがあります。熱中症の症状について正しい知識を持っておくことが重要です。


  • 「マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことがある」3割半、30代女性では約5割
  • 「熱中症にならない自信がある」約3割、20代男性では5割

全回答者(1,000名)に、マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことはあるかを聞いたところ、「ある」は36.5%、「ない」は63.5%となりました。暑い時期のマスク着用による“マスク熱中症”と思われる症状を経験した人は少なくないようです。

性年代別にみると、マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことがある人の割合は、男性では10代(48.2%)、女性では30代(48.8%)が最も高くなりました。


また、“熱中症にならない”という自信があるかを聞いたところ、「ある」は27.8%、「ない」は72.2%となりました。

性年代別にみると、“熱中症にならない”という自信がある人の割合は、すべての年代で女性より男性のほうが高く、20代男性(50.6%)では半数を超えました。自身の健康や体力を過信して行動すると、熱中症のリスクを高めてしまう恐れがあります。誰でも熱中症にかかる可能性があると考え、適切な予防策を取ることが大切です。


  • 「暑い時期に熱中症対策を行っている」7割強
  • 実践している熱中症対策 1位「水分をこまめにとる」2位「塩分補給をする」3位「涼しい服装をこころがける」
    「塩分補給をする」「暑い日は外出・運動を控える」「人と十分な距離があるときはマスクをはずす」の実施率が大幅上昇

熱中症対策について質問しました。

全回答者(1,000名)に、暑い時期に熱中症対策を行っているかを聞いたところ、「行っている」は73.1%、「行っていない」は26.9%となりました。

年代別にみると、「行っている」と回答した人の割合は、10代(81.3%)が最も高くなりました。


暑い時期に熱中症対策を行っている人(731名)に、実施している対策を聞いたところ、「水分をこまめにとる」(79.6%)が最も高くなり、「塩分補給をする」(54.4%)、「涼しい服装をこころがける」(49.4%)、「暑いときはこまめに休憩をとる」(49.0%)、「扇風機・エアコンを使用」(45.0%)と続きました。また「暑さに慣れておく」(24.1%)は約4人に1人の割合となりました。からだが暑さに慣れることを“暑熱順化”と呼びます。暑熱順化を意識し行動している人は少なくないようです。

昨年(2023年)の調査結果と比較すると、「塩分補給をする」(2023年43.5%、2024年54.4%)、「暑い日は外出・運動を控える」(2023年32.3%、2024年42.3%)、「人と十分な距離があるときはマスクをはずす」(2023年19.2%、2024年28.6%)は、いずれも昨年と比べて約10ポイント上昇しました。


  • 「からだが暑さに慣れていると熱中症になりにくいことを知っていた」5割強
  • 行っている暑熱順化の方法 1位「ウオーキング」2位「入浴」3位「ストレッチ」

暑さが本格化する前に、からだが暑さに慣れるよう“暑熱順化”を行っていると、熱中症のリスクを減らすことができるといわれています。

全回答者(1,000名)に、≪からだが暑さに慣れていると熱中症になりにくいこと≫を知っていたかを聞いたところ、「知っていた」は52.5%、「知らなかった」は47.5%となりました。


実際に、どのような方法で暑熱順化を行っている人が多いのでしょうか。

熱中症対策として暑さに慣れておくことを行っている人(176名)に、暑さに慣れるために行っていることを聞いたところ、「ウオーキング」(60.8%)が最も高くなりました。帰宅時にひと駅分歩いたり、階段を使ったりして、意識的に少し汗をかくようにすると、暑熱順化の効果があるといわれます。次いで高くなったのは、「入浴(湯船に浸かる)」(50.6%)、「ストレッチ」(28.4%)、「筋トレ」(27.8%)、「ジョギング」(21.6%)でした。シャワーではなく湯船に浸かることや、室内でストレッチや筋トレといった軽い運動をすることでも、暑熱順化の効果が期待できます。体調や体力、その日の天気・気温などに注意して、あくまでも無理のない範囲で行うことが大切です。


  • 「暑熱順化には数日~2週間程度かかることを知っていた」約3割
  • 「一度暑熱順化できても数日暑さから遠ざかると暑熱順化の効果がなくなることを知っていた」2割半

からだを暑さに慣れさせるための行動を始めてから暑熱順化の効果があらわれるまで、個人差はありますが、数日から2週間程度かかるとされています。

全回答者(1,000名)に、≪暑熱順化には数日~2週間程度かかること≫を知っていたかを聞いたところ、「知っていた」は27.4%、「知らなかった」は72.6%と、大半の人が認知していない実状が明らかになりました。


≪一度暑熱順化できても数日暑さから遠ざかると暑熱順化の効果がなくなってしまうこと≫を知っていたかを聞いたところ、「知っていた」は26.1%、「知らなかった」は73.9%となりました。

一度からだが暑さに慣れた後も、しばらく涼しい気候が続いたり、エアコンの効いた室内で過ごしたりしている間、暑熱順化の対策を行っていなかった場合は、からだが暑熱順化していない状態に戻ってしまうことに留意する必要があります。


  • クーリングシェルターの仕組みが導入されていることの認知率は42.6%
  • 「行動範囲にあるクーリングシェルターを知っている」「クーリングシェルターのマークを知っている」いずれも1割未満

2023年4月に成立した改正気候変動適応法により、2024年4月から、冷房設備などの要件を満たす施設を、市町村長が“クーリングシェルター(避暑施設)”に指定できるようになりました。クーリングシェルターに指定された施設は、熱中症特別警戒アラートが発表された場合に一般開放することが義務付けられています。

全回答者(1,000名)に、“クーリングシェルター(避暑施設)”の仕組みが導入されていることを知っていたかを聞いたところ、「名前は聞いたことがあった」は26.8%、「どのようなものか知っていた」は15.8%で、認知率は42.6%でした。他方、「知らなかった」は57.4%となりました。

昨年(2023年)の調査結果と比較すると(※)、認知率は12.5ポイント上昇(2023年30.1%、2024年42.6%)しました。


※2023年調査では「“クーリングシェルター(避暑施設)”の仕組みが導入されること」の認知を問う内容として聴取


自身の行動範囲にあるクーリングシェルターを知っているかを聞いたところ、「知っている」は9.3%、「知らない」は90.7%となりました。

また、クーリングシェルターのマークを知っているかを聞いたところ、「知っている」は8.2%、「知らない」は91.8%でした。

クーリングシェルターの仕組みについての認知は広がりつつあるものの、実際どこにあるのか、どのようなマークが表示されているのかといった情報については、大多数の人に未だ認知されていない実態が明らかになりました。


  • 「クーリングシェルターを利用したことがある」1割未満にとどまる
  • 「今後、クーリングシェルターを利用したい」5割、50代以上では約6割

全回答者(1,000名)に、クーリングシェルターを利用したことがあるかを聞いたところ、「利用したことがある」は7.4%、「利用したことがない」は92.6%と、利用経験のある人の割合は1割未満にとどまりました。

年代別にみると、「利用したことがある」と回答した人の割合は、20代(13.3%)が最も高くなりました。


今後、クーリングシェルターを利用したいと思うかを聞いたところ、「利用したいと思う」は50.6%、「利用したいと思わない」は49.4%と、半数の人が利用意向を持っていることがわかりました。

年代別にみると、「利用したいと思う」と回答した人の割合は、60代以上(59.0%)と50代(58.4%)で高くなりました。


  • 「熱中症になったときの対応・処置を知っている」6割、10代と60代以上では7割
  • 熱中症になったときの対応・処置で知っているもの 1位「脇の下を冷やす」2位「涼しい室内に移動する」

熱中症になってしまった場合の対応・処置について質問しました。

全回答者(1,000名)に、熱中症になったときの対応・処置を知っているかを聞いたところ、「知っている」は60.7%、「知らない」は39.3%となりました。

年代別にみると、熱中症になったときの対応・処置を知っている人の割合は、60代以上(69.9%)が最も高くなり、10代(69.3%)、50代(61.4%)が続きました。


熱中症になったときの対応・処置を知っていると回答した人(607名)に、熱中症になったときの対応・処置で知っているものを聞いたところ、「脇の下を冷やす」(64.4%)が最も高くなりました。太い血管が通っている脇の下を冷やすことによって、からだ全体を冷却できることを認知している人が多いのではないでしょうか。次いで高くなったのは、「涼しい室内に移動する」(63.8%)、「塩分を補給する」(60.8%)、「風通しのよい日かげに移動する」(60.5%)、「氷枕や保冷剤でからだを冷やす」(59.8%)でした。他方、「手を冷やす」(28.7%)や「足を高くして休む」(26.0%)は3割未満にとどまりました。手のひらを冷やすことで深部体温を下げられる、横になって休む際に足を高くすると脳への血流が改善されるといった効果については、知らない人が多いようです。


第3章 今夏のマスク着用

  • 夏のマスク着用実態 「夏になってもマスクの着用を続けている」約5割、「猛暑日でもマスクを着用している」約4割、「屋外で人と十分な距離が確保できる場合もマスクを着用している」3割半、「夏に外で運動をする際もマスクを着用している」約2割

今夏のマスク着用について質問しました。

全回答者(1,000名)に、夏のマスク着用の実態について、自身にどの程度あてはまるかを聞いたところ、≪夏になってもマスクの着用を続けている≫では『あてはまる(計)』(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は48.2%、≪猛暑日でもマスクを着用している≫では『あてはまる(計)』は41.0%、≪屋外で人と十分な距離が確保できる場合もマスクを着用している≫では『あてはまる(計)』は34.3%、≪夏に外で運動(ウオーキング・ジョギングなど)をする際もマスクを着用している≫では『あてはまる(計)』は22.1%と、いずれも半数を下回りました。個人の主体的な選択を尊重する観点から、マスク着用については2023年3月13日以降、個人の判断が基本となりました。望ましい感染対策の実践と、“マスク熱中症”対策の実践をバランスよく行っている人が多いのではないでしょうか。

年代別にみると、夏になってもマスクの着用を続けている人の割合は、10代と20代(いずれも41.0%)では約4割と、他の年代より低くなりました。


昨年(2023年)の調査結果と比較すると、『あてはまる(計)』と回答した人の割合は、≪夏になってもマスクの着用を続けている≫では8.2ポイント下降(2023年56.4%、2024年48.2%)、≪猛暑日でもマスクを着用している≫では6.4ポイント下降(2023年47.4%、2024年41.0%)、≪屋外で人と十分な距離が確保できる場合もマスクを着用している≫では5.1ポイント下降(2023年39.4%、2024年34.3%)、≪夏に外で運動(ウオーキング・ジョギングなど)をする際もマスクを着用している≫では4.9ポイント下降(2023年27.0%、2024年22.1%)と、いずれも下降する結果となりました。


  • 「子どもは体育の授業ではマスクをはずしたほうがいいと思う」高校生の親では7割半

子どものマスク着用について、どのように考えている人が多いのでしょうか。

小学生~高校生の子どもがいる人(130名)に、子どもの学校生活に関する意識について、自身の考えにどの程度あてはまるかを聞いたところ、≪子どもは体育の授業ではマスクをはずしたほうがいいと思っている≫では「非常にあてはまる」が53.8%、「ややあてはまる」が20.8%で、合計した『あてはまる(計)』は74.6%となりました。体育の授業中、マスク着用を続けることでマスク熱中症になってしまうことを懸念する人が多いのではないでしょうか。

子ども(※)の成長段階別にみると、『あてはまる(計)』と回答した人の割合は、小学生の親では71.8%、高校生の親では75.0%でした。

※小学生~高校生の子どもが複数いる場合は、学年が上の子ども


第4章 夏の室内環境とエアコン使用

  • 「夏にエアコンをつけていてもこまめに換気している」4割
  • 「エアコンをつけるときは設定温度を28℃にしている」夏に室温を28℃以下に保つようにしている人の半数
  • 「今年の夏は節電を心がけようと思う」約7割

夏の室内環境とエアコン使用について質問しました。


全回答者(1,000名)に、夏の室内環境について、自身の状況にどの程度あてはまるかを聞いたところ、≪夏にエアコンをつけていてもこまめに換気している≫では、「非常にあてはまる」が10.2%、「ややあてはまる」が29.1%で、合計した『あてはまる(計)』は39.3%となりました。エアコンをつけていても、外気温が高いときに換気を繰り返すと室内の温度が上昇し熱中症になるリスクが高まってしまう恐れがあるため、室内であっても油断せず温度や湿度を意識することが熱中症対策としては大切です。


また、≪夏は室内温度を28℃以下に保つようにしている≫では、『あてはまる(計)』は56.1%となりました。


ここで、夏は室内温度を28℃以下に保つようにしている人(2022年635名、2023年605名、2024年561名)についてみると、≪エアコンをつけるときには設定温度を28℃にしている≫で『あてはまる(計)』と回答した人の割合は、2022年48.3%、2023年50.9%、2024年50.8%と、昨年の水準を維持する結果となりました。たとえば、室温を28℃にしようとして、エアコンの設定温度を28℃にしても、必ずしも室温が28℃になるとは限りません。クールビズが目安とする“室温28℃”と“エアコンの設定温度28℃”が同じものでないということを適切に理解している人は依然として2人に1人にとどまるようです。


節電に関する意識について、自身の考えにどの程度あてはまるかを聞いたところ、≪今年の夏は節電を心がけようと思う≫では、『あてはまる(計)』は68.7%となりました。激変緩和措置の縮小や再エネ賦課金の値上げなどにより今年も電気料金が値上がりすることが見込まれているためか、これから節電に取り組もうと考えている人が多いようです。ただ、熱中症リスクを避けるため、節電を心がける際は熱中症予防にも意識を向けることが重要です。

年代別にみると、『あてはまる(計)』と回答した人の割合は、上の年代ほど高い傾向がみられ、60代以上では78.9%でした。


  • 在宅時のエアコン使用状況 約2割が「就寝中にエアコンは使用しない」と回答

全回答者(1,000名)に、在宅時のエアコン使用状況を、日中・夜間・就寝中の3つの時間帯ごとに聞きました。

結果をみると、いずれの時間帯においても「室温は関係なく、暑いと感じたときに使用している」(日中28.3%、夜間30.1%、就寝中25.5%)が最も高くなりました。健康状態や加齢などにより温度に対する感覚が弱くなっていることがあり、安易に自身の感覚だけを基準にエアコンの使用について判断することには熱中症リスクが潜んでいます。自身の感覚だけでなく、室内環境についてもこまめに確認することが熱中症対策にとって欠かせません。次いで高くなったのは、日中では「在宅時は常に使用する」(21.9%)、夜間と就寝中では「室温が一定の温度以上になったときに使用している」(夜間19.1%、就寝中16.5%)でした。また、「エアコンは使用しない」は就寝中では17.7%と、日中(15.0%)や夜間(14.0%)と比べてやや高くなりました。就寝中にエアコンを使用することで、特に暑い時期の夜間熱中症のリスクを軽減できますが、約2割の人は寝ているときにエアコンを使用していない実態が明らかとなりました。


昨年(2023年)の調査結果と比較すると、在宅時にエアコンを使用しない人の割合は、20代男性では、日中で16.9ポイント上昇(2023年9.6%、2024年26.5%)、夜間で18.1ポイント上昇(2023年7.2%、2024年25.3%)、就寝中で12.1ポイント上昇(2023年12.0%、2024年24.1%)し、いずれの時間帯においても10ポイント以上の大幅上昇となりました。


※参考([性年代別]在宅時のエアコン使用状況)


■調査概要■

調査タイトル:熱中症に関する意識・実態調査2024

調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする全国の15歳以上の男女

調査期間:2024年6月4日-6月5日

調査方法:インターネット調査

調査地域:全国

有効回答数:1,000サンプル

実施機関:ネットエイジア株式会社


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